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PROJECT 事業領域

遠隔監視 Project #02

プロジェクト概要

協調人工知能(CI:Cooperative Intelligence)を搭載したレベル4自動運転車が適切に自動運行されているかを監視し、運行できない事態に陥りそうなときは適切に警報を発して監視者が迅速に事態に対応できるようにするための遠隔監視システムの開発を行っています。

図:遠隔監視システム概要

図:遠隔監視システム概要

解決したい社会課題・背景

少子高齢化が進む中で、運転免許証を返納する高齢者が増加しており、移動手段の確保が重要な課題となっています。レベル4自動運転車は、特定の条件下で完全に自動運転が可能であり、高齢者や身体的な制約を持つ人々にとって安全で便利な移動手段となることが期待されています。
しかし、レベル4自動運転車は完全に自律的に車両が移動できる反面、運転者が搭乗していないため車両の状態や周囲の環境をリアルタイムに把握することができず、自動運転車が異常を検出して安全停止した状態のとき、搭乗者へのサポート等を迅速に行うことが難しいという課題があります。国としても、レベル4自動運転車による自動運行サービスを行う際に運行中の車両の状態をリアルタイムで監視し、運行が困難になる事態に陥った際には現場保安員を派遣するなどの適切な対処を行うことを法律で義務付けています。
本プロジェクトでは、レベル4自動運転車の運行における車体の状態や周囲の環境をリアルタイムで監視し、適切な対応を取ることができるようにするための遠隔監視システムの開発を行っています。

技術的アプローチ・研究内容

本プロジェクトでは、まず、レベル4自動運転車の車内・車外に設置されたカメラ映像やマイク音声、シートベルト状態・バッテリー残量などのセンサー情報を収集し、携帯電話4G/5G通信を通じて遠隔監視ルームに送信する仕組み、および遠隔監視ルームからの音声通話や非常停止を行える仕組みを、法的要求を満たすためのベースラインとして開発を行っています。自動運転車との通信には4G/5G通信が間に入っており、通信の安定性を確保するための工夫が不可欠です。本プロジェクトでは、最適なネットワーク構成や通信プロトコルの検討を行い、場所による通信速度の変動に対応できるようなシステム設計を行っています。

カメラ映像やマイク音声の送受信に関してはWeb技術であるWebRTCを活用しています。WebRTCによる送受信では通信速度の変動を検知しており画質音質を動的に変更する処理を組み入れています。また、センサー情報の送受信や遠隔監視ルームからの指示送信に関してはIoTアプリケーションで使用されることの多いMQTTプロトコルを活用して、なるべく負荷の小さな通信を行うよう工夫しています。

さらに、遠隔監視システムのユーザーインターフェースの設計にも注力しており、監視者が迅速かつ直感的に車両の状態を把握できるような画面構成や操作方法の検討を行っています。

遠隔監視
主な成果・特徴

本プロジェクトの主な成果は、レベル4自動運転車として本田技術研究所と共同で開発中のCiKoMa Fourの実証実験における遠隔監視システムとして組み入れられています。茨城県常総市や神奈川県小田原市で予定されているCiKoMa Fourの実証実験では、法的要求を満たしつつ、監視者の負担の少ない監視システムとして設置する予定です。

今後の展望

今後は、実証実験を通じて得られたフィードバックをもとに、遠隔監視システムの機能やユーザーインターフェースの改善を行い、1人の監視者が複数台のレベル4自動運転車を効率的に監視できるようなシステムの開発を目指しています。また、将来的には、協調人工知能を活用して車両の状態や周囲の環境・通信状況を自動的に分析し、異常を先回りして検知し通知する機能などを追加し、監視者の負担をさらに軽減することを検討しています。

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